ロコモ・サルコペニア対策

● ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは?

加齢により「骨」や「関節」、「筋肉」といった運動器が衰えて「立つ」、「歩く」といった動作が困難になり、要介護や寝たきりになること、またはそのリスクが高い状態のことです。 予備軍を含めるとその数は約4,700万人といわれ、超高齢化が進むなかで近年問題視されています。

日本の平均寿命は世界でもトップクラスを誇りますが、近年これとは別に「健康寿命」という言葉が多く取り上げられるようになりました。 健康寿命とは「介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間」をさします。 日本人の平均寿命から健康寿命を引いた年数を見ますと男性で約9年、女性で約13年となっています。 これは、健康を損ない介護状態となって生きる年数が平均して10年前後あるということを意味しています。 「ロコモ」は、「メタボ」や「認知症」と並び「ねたきりや要介護状態」、つまり「健康寿命の短縮」の3大要因の一つとなっています。

厚生労働省は、「健康日本21」というプロジェクトの中でロコモの認知度を80%以上にすることを目標に掲げ、政策としてロコモ対策を推進しています。

● サルコペニアとは?

加齢により筋肉の合成と分解のバランスが崩れて、「筋肉が減少する」ことです。 ロコモにおける筋肉の衰えに該当します。

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サルコペニアは、「筋肉減少」→「関節負担増」→「関節炎症」→「運動量低下」→「筋肉減少」をもたらすほか、「筋肉減少」→「ふらつき・転倒」→「骨折」→「運動量低下」→「筋肉減少」、更に「運動量低下」は「骨密度低下」をもたらすことから、ロコモへの入口となります。

 

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右のグラフは加齢に伴う筋肉量の推移を示す研究報告です。残念ながら、ほっておくと加齢と共に筋肉は減少する傾向にあります。ロコモにならないためには、適切な栄養摂取と適度な運動により筋肉を維持すること、つまり「サルコペニア対策」が重要です。
また、筋肉の減少は、基礎代謝の減少、内臓下垂、骨盤の歪みなどを引き起こすため百害あって一利なしとも言えます。最近、ようやくですが美と健康のために筋肉維持が重要であることが啓蒙されるようになってきました。

●ロコモ・サルコペニア対策素材としてのHMBカルシウム

サルコペニア対策(筋肉維持)には適切な栄養摂取と適度な運動が重要です。 栄養源としてはプロテイン(たんぱく質)やBCAA(分岐アミノ酸)などがよく知られていて、これらを配合した商品が流通しています。 これらは筋肉の原料となるたんぱく源を強化したサプリメントで、筋肉維持に有用な方法の一つです。

 ・たんぱく質、アミノ酸 = 筋肉の原料

一方、筋肉の原料となるたんぱく源は食事を中心に摂取して、サプリメント等で筋肉の合成促進と分解抑制を刺激する方法が注目されています。 比較的認知度の高い素材としてはロイシンが挙げられますが、ロイシンの摂取に伴うHMB(筋肉の合成促進と分解抑制因子、筋肉細胞膜への成分の供給源)の代謝生成量はわずか5%程度と少ないため、最近ではロイシンに代わる素材として代謝産物が直接摂取できるHMBカルシウムに期待が高まっています。

 ・HMB = 筋肉への刺激(スイッチボタン)

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右の図は、65歳以上の女性の筋力を比較したグラフです。HMBカルシウムを摂取した群は、摂取していないコントロール群と比較して筋力が有意に増加しています。HMBカルシウムには、年齢と共に衰えがちの筋力に関する機能が報告されています。

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左の図は、60~76歳の男女が10日間に渡り運動のほとんど無い生活をした際の筋肉量を比較したグラフです。HMBカルシウムを摂取していないコントロール群の筋肉量は10日間で有意に減少しましたが、HMBカルシウムを摂取した群の筋肉量は維持されています。群間の有意差もあり、HMBカルシウムには、筋肉を維持する機能が報告されています。

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公的機関である国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の“「健康食品」の安全性・有効性情報 素材情報データベース”においても、サルコペニアに対して有効性が示唆されている旨が記載されています。

公的機関のデータベース
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv.html

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